夏の夜更け

よし、少し元気になってきたぞ。
考えるのはやめよう。
座りながらだって、眠れる。

夫のいびき、
息子の寝息、

これを聞いているのも乙なものなのだ。

本を旅するのも悪くない。
本を一冊買った。
でも、今は読まない。

今は。

休息時間。

何もしなくて良いの。

自由な時間。
何もしなくて良いの。

ただ暗い夜の中に溶けていればいいの。

パソコンの明かりに照らされて、
キーボードをたたいていれば、
自然に言葉があふれてくるから。

お腹を冷やしていたんだ。

水も飲めないほどだったけれど、
ちょっと直ってきた感じ。

ああ、本当はね、
息子のように閉じこもっていたら、
傷つかずに済むよ。

でも、それじゃあ、だめ。

戦ってなんぼ、お金もらわないと。

威勢よくいらっしゃい、しないとね。

すん、と元気がなくなって、
誰の顔も見たくはなくて、
一人、夜更けにこうしていると、
何を思うかって、

それは、生きているふしぎだ。

生きている。

とりあえず、食べ物も住む場所も病気の薬もあって、
なんとか暮らせてる。

生きていかなきゃ、シンプルに、
その力を確認する。

だから、泣きたければ泣くのは今。

結構つらい。
夏場は特に。

きっつー。

もう少し寝よう。