祖父の思い出

今日は、なんとなくいつもと違う。
何が違うのだろう。
なんとなく、違うのだ。


祖父が英語に興味を持って、
「THE」とは何だ、とたずねてきたり、
「!」は何のマークだ、とたずねてきたり、
日本語にするとどういう意味なのか、と、、、、
私は出来うる限りの説明をし、
祖父は、一生懸命理解しようとする。
でも、どうもわからん、で、もやもやする感じ。


祖父は亡くなって・・・、今年13回忌になる。
もし生きていたら、と祖母はいつもいつも、悔しがる。
ひ孫を見せてやりたかった、どんなにか、楽しみだったろう、、、。


私のことをいつもニコニコ見つめてくれたおじいちゃん。
大人になると、私がワープロとか使って、
老人会の文書を作ってあげると、お小遣いをくれて、、、
仕事中に作っていたから何だか都合が悪くて、
いらないというのに、いいからいいから、と二千円、とか。

そのうち、自分で文書を作りたくなり、ワープロに挑戦し始めた。
ひらがなをひとつひとつ探して、打ち込んでいく。
そんな、とっても元気な健全な精神のおじいちゃんだった。


自分のルーツを調べていたこともあった。
戸籍を調べて、どこから来て、どんな家系に生まれたのか。
おじいちゃんは、南部の殿様の重鎮の子孫かもしれない、
などと、期待していたのかもしれない。
普通の農民の家系で、明治より先はわからず。
それを「そんなはずはない!!」と、なぜか、とても残念がっていた。


ビンのビールをいつも半分だけ飲んで、
紙をねじらせてふたにして、
冷蔵庫に入れて、2日で1本、を続けていた。
日本酒も少し飲んでいたなあ。
風邪を引いたら玉子酒


ねぎ味噌ラーメンが大好きで、ねぎの味噌汁も大好きで、
「ねぎはうんまい!!」と、力説していた。


たくさんの思い出が、今日は沸いてくる。
おじいちゃんは、もう、いないのに。


おじいちゃんの少しかすれた、
私の好きなスピッツのボーカルのような声は、
怒ったように、私をたしなめるように、
やっぱりニコニコと笑うように、
何かしゃべりたがっているように、
さっきとつぜん思い出したのだった。

いつも、見守ってくれて、ありがとうね、おじいちゃん。
いろいろがんばっていかないといけないね!