さようなら

寂しくて死にそうなことを
誰も知らない。

今すぐ死にそうなことを
誰も知らない。



私の不安定は、
私の無気力は、
私の孤独は、
すべて、一人で抱えなければならないものだ。


夫に甘えてはいけない。
夫にはにこにこと楽しい主婦でいなければならない。
息子にもメリハリのある元気な母でいなければならない。


本来の私の姿など、
誰も求めてはいない。
夫でさえも。
知らないのだろう。


そんな寂しさを感じさせる、
それが、夏なのだ。
秋なんて最悪だ。
まあ、人生の醍醐味といっていいのかもしれない。
ただ、そんな風に傷つきやすい自分が
可哀想だなあ、と思う。
半分死んで生きなければならない、
それが幸せなのか、不幸なのか、
私にはわからない。


めちゃくちゃな体と心のままで、
窮屈に縛られたこの世界で、
今日は、めちゃくちゃに新聞を破きたくなった。
白けた文章を読んでいるうちに、
こんなもの、壊してしまいたい、
そんな衝動にかられたのだ。


もう、何所にも帰る場所などない。
もう、何所にも帰る場所などない。


死ぬしかないのだろうか。
人はいつか死ぬのだから、
そのことに安心すればいい。


今が、幸せじゃないわけじゃない。


でも、何もかも、思い通りに行かない。


人間が好きじゃない。


私は醜く、可愛くない人だ。
夫からも馬鹿にされる。
息子からも恥ずかしい、と言われる。
好きでこんなに太ったわけじゃない。


もう、どうしようもないのだ。
あきらめるのか。
努力するのか。


・・・・努力しようよ。
少しずつでいいから。
努力しようよ。


歩こうよ。


野菜を食べようよ。


今日は、もう、終わろうとしている。


私は眠い。
いくら寝ても、眠い。


夫婦の会話なんて、できない。
しないうちに必要がなくなり、
二人の関係も醒めてくるかも知れない。


そんなものだよね。


興味を無くすって怖いね。


いつか、もっと役にたてる仕事ができると思ってた。

文章や絵や、はたまた音楽や、
そんなことをしながら生きていけるといいのに、

そう思ってた。

でも、父の脅迫は、子供のころから始まっていた。
私は会社に入らなければならなかった。


好きな彼とも別れなければならなかった。
今頃どうしているんだろう。


会社に入ったら最後、
趣味で絵なんてかけるわけない。
脳みそ使うところが違いすぎるから。
文章だったら、毎日でも表現したい。
毎日書きたい。

つづりたい。


想いを。


人に触れると、
感受性がぎゃおぎゃおと騒ぎ出す。
いくら大人になっても、
いくら大人になっても。


慣れている私達でさえも、
こうして、孤独を思い知らされる。


それは、スピッツのCDを聞いたから。
それは痛い、寂しい、孤独、切ない。
それでも、聴いてる時はポップで楽しいのだ。
不思議なバンドだ。


夫と息子が話をしている。
今日は私はリビングに寝る。


夫は上にいって映画を見るんだろう。
大音量で。


ソファで寝ると腰が痛くなるのだが、
仕方ないよ。


ああ、頭の良い人たちに考えなんてしらない。
いくらでも私をバカにすればいいんだ。

さようなら。
さようなら。
さようなら。